「だめよももちゃんその一線を越えたら二度とこちらには戻れないのよ」
遥か遠くから明菜の微かな声が聞こえた。
「明菜ちゃん ごめん あたしどうしても行ってみたいの」
「もし戻れなくても後悔しないから・・・ ありがとう さようなら・・」
ももこは肉体を地球に残し遥かなる冒険の世界へ旅立っていった。
一方 明菜は自分が特注したバーチャル体験マシンにより、ももこが軽い
昏睡状態に堕ちるまで推測していたが、ももこがそこから先の世界へ入り
込むなどとは想像もしていなかった。
慌てバーチャル体験マシンのマニュアル見直した。
ドイツ語書かれたマニュアルには、必ず被験者にバーチャル体験マシンの
性能をあらかじめ説明するようにと記されている。
そして、特殊世界(被験者の超体験)が見えたとしてもそこへは絶対に入
り込んではならないことを厳守するようにと太字で記載されていた。
明菜は現役ナースの美香にそのこと数日前に伝えたが、美香はその重大
事項を ももこに説明しておくことを怠っていたのだ。
明菜は後悔に自らを攻め涙目ながら、泣きじゃくっている美香を諭した。
「美香ちゃん 大丈夫よ」
「今日は私が徹夜でみてるから美香はもう帰って」
「でも・・・・・・」
明日から深夜までの通し勤務であることを承知している明菜は、呆然と
たちすくむ美香を無理やり帰宅させた。
二人の心配をよそに当のももこは幸せそうな表情で眠り続けている。
辞書を片手にマニュアルを深く読み進めると、被験者が昏睡状態に堕ちた
場合でも付属のセンサで脳磁波画像が観測できることが書かれていた。
《脳磁波画像とは錐体細胞の樹状突起で生じた細胞内電流で生じた磁場
を画像化したもので、感情状態を画像として観測できるものである》
明菜はさっそく別梱包された付属のセンサ取り出し、ももこにセットして
そのケーブルをバーチャル体験マシンに接続した。
すぐにモニター画面に ももこの脳磁波が投影された。
青を中心に黄色、緑色から外周には赤の小さな斑点が見られる。
マニュアルには以下のように示されている。
これによると ももこはリラックスの中で脳が正常に活動いている状態を
示していた。昏睡状態でも ももこは心の目で何か確かに見ているらしい。
そのうちにリラックスの青が少なくなり黄色の疑問が全体に広がりやがて、
白の錯乱が大部分運を支配し、ついには漆黒の活動停止となった。
遥か遠くから明菜の微かな声が聞こえた。
「明菜ちゃん ごめん あたしどうしても行ってみたいの」
「もし戻れなくても後悔しないから・・・ ありがとう さようなら・・」
ももこは肉体を地球に残し遥かなる冒険の世界へ旅立っていった。
一方 明菜は自分が特注したバーチャル体験マシンにより、ももこが軽い
昏睡状態に堕ちるまで推測していたが、ももこがそこから先の世界へ入り
込むなどとは想像もしていなかった。
慌てバーチャル体験マシンのマニュアル見直した。
ドイツ語書かれたマニュアルには、必ず被験者にバーチャル体験マシンの
性能をあらかじめ説明するようにと記されている。
そして、特殊世界(被験者の超体験)が見えたとしてもそこへは絶対に入
り込んではならないことを厳守するようにと太字で記載されていた。
明菜は現役ナースの美香にそのこと数日前に伝えたが、美香はその重大
事項を ももこに説明しておくことを怠っていたのだ。
明菜は後悔に自らを攻め涙目ながら、泣きじゃくっている美香を諭した。
「美香ちゃん 大丈夫よ」
「今日は私が徹夜でみてるから美香はもう帰って」
「でも・・・・・・」
明日から深夜までの通し勤務であることを承知している明菜は、呆然と
たちすくむ美香を無理やり帰宅させた。
二人の心配をよそに当のももこは幸せそうな表情で眠り続けている。
辞書を片手にマニュアルを深く読み進めると、被験者が昏睡状態に堕ちた
場合でも付属のセンサで脳磁波画像が観測できることが書かれていた。
《脳磁波画像とは錐体細胞の樹状突起で生じた細胞内電流で生じた磁場
を画像化したもので、感情状態を画像として観測できるものである》
明菜はさっそく別梱包された付属のセンサ取り出し、ももこにセットして
そのケーブルをバーチャル体験マシンに接続した。
すぐにモニター画面に ももこの脳磁波が投影された。
青を中心に黄色、緑色から外周には赤の小さな斑点が見られる。
マニュアルには以下のように示されている。
これによると ももこはリラックスの中で脳が正常に活動いている状態を
示していた。昏睡状態でも ももこは心の目で何か確かに見ているらしい。
そのうちにリラックスの青が少なくなり黄色の疑問が全体に広がりやがて、
白の錯乱が大部分運を支配し、ついには漆黒の活動停止となった。